りんご病のあれこれ
伝染性紅斑(りんご病)が流行っています。当院開院の2018年以来の流行です。ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因で、人生で1回しかかかりません。4−21日(大体14日程度)の潜伏期間を経て発症(ほっぺた、うでなどに真っ赤な紅斑が出る)します。一旦赤くなると診断できますが、この時点では感染力はほぼないので、全身状態に問題がなければ「登園・登校可」であり、医療機関に受診して診断する必要は全くありません。この点を園や学校の先生方にも周知していただきたいところです。
紅斑自体は2週間程度で自然に消えてゆきます。塗り薬も飲み薬も必要ありません。一部の方でかゆみや肌のピリピリ感がある人には「痒み止め」の飲み薬を出す場合もあります。紅斑は、強い日光に当たったり、お風呂などで肌が温まると赤みが強くなります。日差しの強い時には、幹部に日焼け止めを塗っておくと良いです。
とにかく自然に治る病気です。好発年齢は5−9歳ぐらいですが、乳幼児でもかかることはあります。
大人は過去の感染歴があるのがほとんどなので大丈夫ですが、万が一で妊婦さんがかかった場合に胎児水腫になるリスクがあります。なので、ママさんでかかったかも?という場合は、妊婦健診の時に産婦人科の先生に話をしてください。30年以上小児科医をやっていますが、リンゴ病の胎児水腫の経験は1回だけでとっても稀な合併症です。
あと、さらに非常に稀な合併症(紫斑病・重症貧血)もありますが、はっきり言って気にしないでいいです。
とにかく合併症なく自然治癒する感染症。かかったよという証拠に、ほっぺが真っ赤になった可愛い写真を残しておいてください。
繰り返しますが、治療もないため病院への受診は基本的に不要です。