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百日咳あれこれ

[2025.04.14]

「百日咳が流行しています」という情報だけが一人歩きしています。耳にされたことがある方もおられると思います。百日咳について、小児科医がお伝えしたい事ををいくつか紹介します。

【①百日咳はワクチンで防ぐことができます】

4種混合ワクチンや5種混合ワクチンを接種している小さなお子さんたちには感染しません。年中組さんぐらいまでは無視して構いません。しかしワクチン効果の持続期間の関係上、追加ワクチンから4年を超えた年長組さんや小学生以上は百日咳にかかる場合があります。

【②】なので、ワクチン未接種の0から2ヶ月までの赤ちゃんのみが要注意な病気です。この月齢が感染した場合は大変危険です。

【③適正な抗生剤治療で治る病気です】

百日咳の痙咳期と呼ばれる激しい咳込みは、約1ヶ月ほどで治ります。咳は、大丈夫な時間と咳き込み始めると止まらない(痙咳:けいがい)時間とを繰り返しますので、普通の風邪とはちょっと違うのがわかると思います。抗生剤内服すると1−2週間でかなり落ち着きます。ある程度落ち着けば、あとは自然治癒を待ちましょう。

【④登園・登校について】

本来ならば出席停止になる感染症です。あまりにも激しい咳き込みは他者への感染を考慮して熱がなくても休んだ方が良いです。「適正な抗生剤内服5日経過してから」とも記載がありますが、このあたりは本人の症状次第で、マスクによる咳エチケットを保っていただけたら幸いです。なお、特にスポ少などでの感染拡大が多いので、咳が出る時にはスポーツは控える方向でお願いします。

【⑤検査はできる?】

現在は咽頭拭い液でのLAMP法というPCRを用いた検査が一番信頼性が高いと考えます。ただし、結果が数日かかります。15分で判定できる検査キットもありますが、陽性率が高くないので当院では行っていません。診断するしないに関わらず、疑ったら治療開始しますので、あまり確定診断にこだわらない方が良いです。なお百日咳は、診断した場合は国に「全例報告」の義務が医療側にあります。もし診断を希望される場合、予防接種歴が必要なので必ず「母子手帳」を持参してきてください。

 困ったことがあれば、遠慮なく医療機関へ受診してみてください。耳鼻科や内科の先生はあまり認知のない病気なので、小児科受診をお勧めします。

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