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「病名」と「治療」(細かいことは気にしない)

[2019.07.24]

なにかトラブルがあった際に、「病名」をはっきりさせてから「治療法」に結びつけるのが医学の定石です。病名が違っていると治療がうまくいかないなんて当たり前で、たとえば「糖尿病」の人に「高血圧」の治療薬は効きません。

しかし「病名」の中には、「似て否なるもの」もたくさんあります。「感冒」と「急性上気道炎」と「急性鼻咽頭炎」との違いを明確に言い分けられるお医者さんって実はいません。なんとなくでしか分けません。

これはなぜかというと、「治療法は同じ」だから分ける必要がないのです(細かい事を抜きにしています。同業者からの反論はあると思います)。

そもそも我々、メスを持たない内科医・小児科医は手術をして治すわけではなく、主に「飲み薬」で患者さんの病気が治るように導きます。

患者さんごとに、それぞれ症状も違いますし経過も違いますし調子が悪くなって何日目?というのも違うんですが、意外と最終的に処方すべきお薬ってほぼ同じになってしまいます。

そう、我々が使える武器(薬品)ってとっても種類も少ないのです。だからいつも同じような処方になるのはご了承いただきたい。

手足口病のブログのときにも書いたように、小児の解熱鎮痛剤は「アセトアミノフェン」一択しかないのです。だから熱がでても、痛いときにも「アンヒバ」か「カロナール」しか出ません。

 また、お肌のトラブルのときに便宜上「乳児湿疹です」といったり「あせも(汗疹)です」といったりしますが、原因が湿疹の場合は「感染」だったり「乾燥」だったりで、汗疹の場合は「汗」そのものということにはなりますが、結局はお渡しするお薬の内容は全然かわらなかったりするし、大事なのは「しっかり洗って清潔を保ったうえで、塗り薬をちゃんと塗る」のが正解なので、正直「乳児湿疹」も「あせも」も変わらないんです。

 「ヘルパンギーナ」も「手足口病」も「プール熱(アデノウイルス感染)」も、症状の差はかなりありますが、①夏場に流行るかぜであること ②ウイルス性疾患なので自然に治ること から考えるとすべて「夏かぜ」と呼んで問題がないのです。

 病名という、ある種の「言葉遊び」はどうでも良くって、大事なのは「どう治療すべきか?」というところに常々主眼を置いて診察させてもらい説明させてもらっています。あまり病名というものにこだわらなくてもよいことをぜひ覚えていてください。

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