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かみ合わないときの、根底にあるもの

[2018.10.29]

その昔、ステロイド恐怖症でアトピー性皮膚炎の治療がすごく難しかった時代があります。最近の外来ではほぼお見かけしません。

一方、「抗生剤恐怖症」や「解熱剤恐怖症」の保護者の方を最近よく経験します。必要だし、便利なのにどうしてかなあ?と思っておりました。

医療従事者側の僕らからすると、どうして拒否するの?ってなりますし、嫌だと考えておられる保護者の方と、どうも折り合いが合わないので、やりづらさを感じます。

で、昨日富山であった講演のなかで「ワクチンを拒否する家族に対する対応」の話を聞かせてもらいました。SNSによる怪情報や誤情報の拡散や、接種する我々小児科医の説明不足などから、根深い拒否が生まれるとのこと。

しかし、ワクチンを打つ立場の我々も、ワクチンを受ける・拒否する立場のご家族も、「子供が健康でいてほしい」と願う気持ちは実は全く同じだという、非常にわかりやすい視点を教えてもらいました。

本当にその通りだなあと。でも立場が変わると同じことでも受け止め方が180度かわってしまうことがあり、かみ合わなくなることがある。

そんなときにも、根底にある「子供の健康第一」というコンセプトが分かり合えば、しっかりと説明させてもらえば、落としどころが同じなのできっとわかってもらえるという自信を持てました。

何より、話を聴くこと。患者さんから、素朴な疑問や意見などを質問しやすい雰囲気づくりから始めれば、ゆっくり紐解けるものがあると思います。

誰しも、こどもの健康を望まない親はいない、そしていろんな医療行為には必ず不安がつきまとう。その不安をひとつひとつ説明してゆくべきだなあと、あらためて感じました。

そこに、「信頼関係」という大事なものを築いてゆけたら、僕らも患者さん側も、同じ目標にむかって同じ気持ちになれると信じます。

 

さて、これだけ朝晩寒くなってくると、いよいよノロなどの感染性胃腸炎が流行しはじめると思います。急な腹痛・嘔吐、困りますよね。充分ご注意ください。

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