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リカバリータイム

[2021.05.03]

病気になって初めて健康のありがたさを知るのは皆さん同じだと思います。傷が癒えるには必ず時間というものが必要です。子供たちは大人より免疫が未熟なだけに頻繁に風邪を引きます。特に1歳前後から4歳ぐらいまではしょっちゅう風邪を引きます。みなさんコロナのニュースで論理が分かったと思うのですが、人は「人と接触する」ことで風邪をもらいます。なので集団保育・集団教育には常に「感染のリスク」がつきまといます。ただし教育面・情緒面・人間関係の構築・道徳面など、明らかにリスクよりもベネフィットの方が大きいので保育園や幼稚園・学校が存在意義があるわけです。親にはできないことを社会が教えてくれたりするので、非常にありがたい機会です。 話がそれましたが、とにかく意図せずに風邪をひいてしまうことがしばしばあります。そこは避けられない。いち早く治って欲しいと願うのが親心です。診察の際に「いつから保育園に行けますか?」と質問されることについても、僕はできるだけ医学的見地から説明するようにしています(時間がなく端折る場合はごめんなさい)。多分、保護者側と医療者側で永遠のテーマは「登園再開の定義」だと思います。そこには①こどもの病状 ②親の社会的事情が必ず関与します。僕が常々伝えたい事、それは「熱が下がったら登園は可能」は絶対に違うということです。どんな感染症にも病状が癒えて体力が元に戻るまでの回復期(リカバリータイム)が必要で重要です。でも残念ながらその時間を家庭でとることなく登園再開しておられる方が多い。リカバリータイムが不十分な場合には、①まだ治りきっていない弱った体に大きな負担をかける(こじれる)危険性 と ②周囲のお子さんに感染症を「ばらまく危険性」 の二つのリスクが同時に存在します。残念ながら登園再開に際して②を意識する方が非常に少ないと感じます。もう少し周囲への迷惑を念頭に置きながら行動をする人が増えれば、このコロナ禍においても、個人個人が日々どう行動をすべきかという答えがあり、自分さえ良ければとか自分さえ楽しければという軽はずみな行動をしなくなり、やがてその積み重ねで病原体は姿を消します。国の策だからとか、ルールがそうなっているからというものでもないんです。人間としてのモラル度が高くなれば高くなるほど、困難を乗り越えてゆくことができます。是非こういう意識を高めていく人が増えていって欲しいと思います。

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