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常識はなぜ常識なのか?

[2018.07.16]

僕たちはなにげなく、朝・昼・夕とごはんを食べます。離乳食のお話しを聞くときにも、3回食になったらちゃんとよく食べてますねって安心します。

さて、日本人は江戸時代ごろまでは1日2回食だったそうで、1日3回食になったのは明治時代、のちに日本に「栄養学校」を作った、佐伯矩(ただす)博士という方がひろめたそうです。

人間にとって1日に必要なエネルギーを計算し、1日に2回では摂取が難しいので1日3回に分けて食事する方法を広めてゆき、今の我々の常識になっているようです。

やはり常識になることは、ちゃんと科学的根拠に基づいているのだとわかります。消化・吸収とおなかの動きを考慮すると、離乳食期から1日3回が望ましいのが我々人間なんですね。

常識は、基本は正しい事と考えてよさそうですが、ダイエットなどでは1日1回食とか、ファスティング(断食)など「常識」を破ることで違ったものを手に入れることができたりするので、

常識を疑問視することから新しいカタチを作ることもできそうです。

 

我々が処方する風邪薬などは、以前にお話ししたとおり有効血中濃度の関係から1日3回内服が必要なものが多いです。ですから薬と言えば1日3回が常識です。

「保育園・学校で飲めないので、1日2回で」と親御さんの希望を多く聞きます。可能な限りニーズにお応えできるように処方しております。

喜んでお薬を飲んでくれるお子さんばかりではないですし、服薬回数が少ないほど飲んでくれる率はあがります。

医療用語では服薬アドヒアランスと言いますが、治療のルールを遵守してお薬をちゃんと飲んでくれることから、医療は始まります。

この率を上げるべく、最近の新しいお薬については、1日3回の常識を打ち破り、1日1-2回で効果が持続するという科学的根拠のしっかりしたものが増えてきています。

 

当たり前になっていること、常識になっていることをちょっと疑問に考えると、いろいろ意味があって面白いと思います(きっと僕だけのような気もしますが)

なお、なぜ生きるのか? なぜ寝るのか? なぜ恋をするのか? なぜ働かなきゃならないのか? についてだけは、深く考えない方がよいです(笑)

心の病気になっちゃいますから。

しかし、答えのないものに思索を巡らせて遊ぶのも、これまた楽しい人生のような気もします。

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