メニュー

時代遅れ脳とアップデートの話

[2019.08.08]

まずはこの場をかりて、「小児救急への要望と感想」を✉でいただいた方に御礼申し上げます。直接返信は避けました。生の声は非常に貴重なので感謝しております。僕たちとしても、高岡のこども医療への命題を守りつつ「やるべきこと(マストなもの)」と「理想的にはそうだが、現実的には無理」をキチンとわけてゆかなければなりません。前向きな善処のただ一つは、我々と患者さん双方の歩み寄りと努力(我慢)だと思います。

でもですね、やっぱり我慢しなくてもいい、質の高い医療を提供したいと望む気持ちにかわりはありません。

ですが、実際に質を保つには、時間(いつ)や場所(どこで)より、「誰が」診察・診断・説明するのかが重要です。いい医療人が、いい医療を支えている。

 

僕は時代遅れな脳(思想)です。医療人は患者さんのために、基本は自己犠牲で頑張るのが当然でした。研修医1年生からはじまりますが、初心者は当然なにもできません。いろんな経験を「早く」たくさん積み、寝る時間を惜しんでベッドサイドで患者さんの状態を診て覚える。そうやって自分の経験値を上げ、いっぱしの小児科医になる。それがプロだと。プロになるためにはとにかく「場数を踏む」しかないと、今でも思っています。

ですが、「働き方改革」という法律が実施され、医療業界にもメスが入ります。今からの時代、医師の研修や労働は大きく変化します。時間外に働いてはいけない!になります。経験値を積めない医師もどんどん増えてゆきます。

響きはいい「働き方改革」ですが、医療の現場で起こるのは、今までのような医療が「質」「時間」ともに保てなく、破綻します。。働く側は守られるが、受診する側は被害を被る。

今はまだ大丈夫なんです。あと10年後、20年後に難がある時代がくるんです。今の僕たちにできることは、やはり医療体制の現状維持が一つと、医療を守るための患者さんたちへの「適正受診教育」と「予防医学・健康保健の充実」

偉そうなことをいって申し訳ないのですが、沈没しそうになっている未来に、何かできないかと模索中です。

パソコンやスマホは、時代とニーズとセキュリティーのために随時アップデートを要求します。ならば、僕たち世の中の人間の脳(思考)も、時代に沿った適切なアップデートがされるようになればいいなあと思っています。

いい方法ないですかね? でも僕はずっと古いOS脳のままで生きてゆこうかなと思っていますが(笑)

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME