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離乳期鉄欠乏について

[2018.06.26]

赤血球は骨髄で作られ、血液中を約120日ぐらい仕事して、脾臓や肝臓で壊される。常にそのサイクルで生まれ変わっています。

いろいろな臓器に酸素を運ぶ重要な役割をしているのが赤血球。貧血というと大人の女性や妊婦さんというイメージですが、実は乳幼児期にもかなり多いんです。

貧血の原因には、①赤血球自体が作られない ②赤血球がたくさんこわれる ③正しい赤血球が作られない、のおおよそ三つに分けられますが、通常は③がほとんどです。

赤血球の骨格となるのが、ヘモグロビンという「鉄」です。鉄が足りなくなると、普通サイズの赤血球を作れなくなり、小さな赤血球になってしまいます。

1歳前後で、非常に色白で一見するとかわいいお子さんがいますが、耳や唇や指先まで真っ白で、押しても赤みを呈さない場合は、離乳期鉄欠乏による貧血かもしれないのでご注意ください。

貧血になると免疫力もさがるため、風邪もひきやすく・治りにくくなります。そして風邪をひいて熱を出すと、赤血球が壊されやすくなるのでさらに貧血が進みます。悪循環に陥る。

ちゃんと治療をして貧血を治すと、全然風邪をひかなくなるケースも多くみられます。心当たりがあるお子さんは、ぜひ一度鉄欠乏ではないか調べてもらうとよいと思います。

 

離乳期鉄欠乏は、①母乳のみで育った赤ちゃんで、②離乳食がなかなか進まない、ときにしばしばみられます。

フォローアップミルクや市販のレトルトの離乳食などには、それを配慮して鉄分強化されています。

しかし、一旦鉄欠乏状態に陥るとなかなか食餌性の鉄分だけでは追いつかなくなります。

母乳育児がダメだとか、離乳食の進め方が悪いということではなく、みんなお子さんにはそういう時期があるんだということを知っていただけたらよいです。

もし離乳期鉄欠乏だと診断された場合は、シンプルに鉄剤を飲んで治療されることをお勧めします。2-3か月続けると、別人のように血色がよくなり元気になります。

 

なお、小児としては、思春期に激しい運動(部活)をしすぎて赤血球が破壊されて貧血になる中学生もしばしばいます。スポーツ貧血といいます。

運動するとすぐ疲れる・ふらふらする・顔色がわるい・たちくらみがするなどの症状がみられたら、一度検査されることをお勧めします。

 

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