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頭をゴツンとぶつけたとき

[2018.10.31]

元気なこどもたちは大人が予期せぬ動きをするので、いろんなところにぶつかったり落っこちたりはさまったりします。はさみでチョッキンと指をきることも。

活動性があがり、アクシデントが起こりやすくなる生後6か月の健診のころから、そういう事故に注意をしてくださいねとお話しはしますが、実際はおとなの想定を超えてくるのが子供ですから困ります。

ボディバランス上、頭が大きい子供は、大概どこかから落ちるときも、足をすべらせて転ぶときも頭をゴツンとぶつけます。

特に臨床的に問題となる外傷性脳損傷を発見するうえでは頭部CTが必要になり、その検査の適応として「NICE」のガイドラインが有名です。がそれは我々医師が知っていればよいこと。

小難しい定義はさておき、意識状態が悪い・嘔吐を繰り返している・痙攣や麻痺があるなどの重篤な症状があれば、それはすぐにでも救急車!ですが、そんなケースはとっても少ない。

ほとんどのケースは、ゴーンといい音を立ててぶつけた、その後ギャーギャー泣いたけど意識はちゃんとある(呼びかけに反応し、目線も合う)、泣きすぎたせいか少し顔色が悪くなり一回だけ吐いた、という感じ。

その後に「大丈夫でしょうか?」と相談に来られることがほとんどです。来院時にご機嫌で笑顔があれば、大丈夫ですよーとお話してます。

やや強めに頭をぶつけたときには、その後24時間以内は軽い「脳震盪」症状がでることがあり、吐いたりすることもありますが、ずっと嘔吐を繰り返すことはありません。

少しぼーっとした感じがあっても、ご家族からみて基本「いつもと変わらない様子」であれば実は心配不要です。なにより大事なのは、「いつもと様子が違う」ときだと覚えておいてください。

子供の頭蓋骨は、前側・後側はかなり分厚く頑丈なこと、また子供の骨は大人と違いまだまだ弾力性があることなどから意外にぶつけても大丈夫。危険なのは骨が薄い側頭部を強打することです。

あまり取り乱すことなく、充分にお子さんの状態を観察したうえで、心配ならば病院へ受診しましょう。

 

こどもの事故は大人が注意することで予防できるものです。寒くなると、インスタントラーメンなど熱い液体を浴びて「やけど」する事故が増えます。3分待つ間も、目をはなさないようにご注意ください。

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