授乳中のママだって風邪をひく
我々人間は、血液中に「免疫」を担当する白血球や抗体などがあることでからだをウイルスや細菌などから守っています。
胎児期の血液は、おおざっぱにいうと胎児由来の血液が半分で、母体由来の血液が半分流れています。
ですから生まれたての赤ちゃんは、お母さんの抗体がそのままあるのであまり風邪をひきません。
この「母体からの移行免疫」と呼ばれるものは、生後約半年ぐらい赤ちゃんの体内に残り、赤ちゃんを守っています。
生後半年を過ぎたら、風邪を引きやすくなるのは、移行抗体がなくなるからなのです。
でも実際は、授乳中のママだって風邪をひきます。それすなわち、赤ちゃんも同じく風邪をひいてしまいます。
妊娠中はどんなに体調が悪くても、胎児や胎盤に影響があるという理由からほとんどお薬を飲むことができず、ひたすら我慢のつらい思いをさせられます。
そのクセがついているのでしょうか、お母さんたちはおっぱいを飲ませているときもお薬を飲んではいけないと思い込んでおられます。
実は、ママがお薬を飲んだ場合に、母乳中に分泌される薬の量は非常に少量で、ほぼ無視できるレベルです。
ですから、遠慮なく風邪薬(市販薬でもOK)や抗生剤、痛みどめなど、ほとんどのお薬を飲んでも構いません。
授乳中に飲んではいけないのは、①甲状腺などのホルモン剤 ②抗がん剤 ③向精神薬(精神科のお薬)ぐらいだけだと言われています。
母児ともに風邪をひいた場合、まずはママの体調回復を優先させるのが重要です。
そして、体力が許せば授乳させてあげる。実は母乳中には免疫蛋白が分泌されており、赤ちゃんの体調回復に非常に役に立ちます。
これがママにしかできない、母乳というもののすばらしさです。やはり、いろんな意味で母は偉大です。
でも、無理しすぎないで、ちゃんと育児中でも休める環境をもともと準備しておくことも、家族円満の秘訣だとおもいます。