メニュー

繰り返す発熱はダメなのか?

[2018.08.10]

小児科の一般外来(慢性疾患などを除く)の内訳としては、小学生以上が1-2割、未就学児が8-9割と言われます。

なかでもまだ免疫が未熟な3歳未満のお子さんが大多数を占めます。そして、一般外来で一番多い主訴はやはり「発熱」です。

「また熱を出しました」「今月3回目です、もう」など、繰り返し受診されるお母さんたちの表情は苦悩に満ちております。

こちらとしても心が痛みますし、お子さんもかわいそうです。

こういう場合に、何が一番大事かというと、「繰り返す」ということより「長引く、治らない発熱」という方が深刻です。

「高熱が出る」とか「解熱剤で下がらない」は、あまり重要な論点ではありません。これに不安にならないでいただきたい。

そして発熱しても一旦完全に治っているときは、実はあまり深刻ではありません。「治る発熱」は大丈夫。「熱がずっと下がらない」がダメ。

発熱は3日目ぐらいまでは許容範囲、4日以上続く発熱はなにかが潜んでいる可能性が高いので受診が必要。ここが一つの線引きです。

 

ただし、繰り返す場合も長引く場合も注意は必要で、そうなる理由(基礎疾患)をチェックします。

調べにくい部分として、先天性尿路奇形(膀胱尿管逆流現象など)を伴う尿路感染症は、小さい子は外来で簡単には検尿できないので見落としがち。

また中耳炎も、耳垢で鼓膜所見がとりづらいので見落としがち。反復性扁桃炎も上手にお口をあーんできない子は見落としがちです。

まだ自分で具合の悪さを訴えられない小さな子供たちの異常を見つけるには、そのほかの症状や全身状態や親御さんの印象を頼りに診断に近づくしかありません。

もし見落としたら、ごめんなさい。

どうしても集団生活をしている小さいお子さんは、感染症にかかりやすい時期が1-2年は続きます。たくさん経験することで免疫は強くなる。

そういう時期が必ず誰にもあるし、避けては通れない。そして必ずいつかそこから卒業して病院を全然受診しなくなる時期がきます。

焦らずゆっくり、強くなってゆくことを見守ってあげてください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME