こどものいびき
扁桃腺は大きく分けると二つあり、ノドの奥の両側にアーモンド状に存在する(口蓋扁桃)(一般的に扁桃腺と呼ぶのはこちら)、突き当たりで鼻の奥の部分をアデノイド(咽頭扁桃)と言います。扁桃腺は鼻の奥と口の奥の両方でウイルスや埃などが入らないようにブロックしてくれている「門番」のような大事な組織です。
こどもはしょっちゅう風邪をひくので、大人に比べて扁桃腺が腫れやすく、小さくなるのに年月がかかります。
いったん扁桃腫大になると、鼻づまり・いびき・副鼻腔炎(寝起き時の咳き込み)・反復性の扁桃炎(溶連菌を含む)・繰り返す中耳炎などのさまざまな症状を起こします。一方、腫れているけれど何も症状がないというお子さんもいます。
いびきがひどいのは幼保から小学校低学年の年齢が多いです。あまりに「ガーガー」とひどいと、このままで大丈夫だろうか?と心配になると思います。とはいえ成長とともに自然に縮小してゆき、小学校4・5年生ぐらいになると相対的にほぼ正常化することが多いのも事実です。
現実には、寝ているときのいびきはひどいけれど、起きている時に支障がない場合は、成長による自然縮小を待てばよいと思います。枕などを工夫するといびきが改善される場合もあります。
一方、しょっちゅう熱を出すお子さん、反復性扁桃炎になる場合は悩みます。中耳炎を繰り返し、耳の聞こえが悪くなる時もあります。扁桃腺は手術で取り除くことができます。耳鼻科を受診して専門科の意見をうかがうのもよいと思います。手術は4−6歳ぐらいが適正と言われています。
ただこどもは一般的に扁桃腺は大きいものです。よくある症状・自然に治るものと考えて気にしすぎないのも重要です。もちろん、それでも心配ならば遠慮なく相談してくださいね。