小児科医ってなにもの?(雑談)
よく、鼻がでるので耳鼻科へ行ってきました、湿疹がひどいので皮膚科に行ってきました、足が痛いので整形に行ってきました、そんな話を聞かせてもらいます。
まったく間違っていません。むしろ正解です。それで症状が落ち着くことが何より大事だと思っています。
やはり「もちはもち屋」という言葉がありますから、専門分野がはっきりしている場合は専門医に診てもらうべきです。
では、小児科って専門は何?と疑問に思われませんか(笑)
先日、小児科医会で「小児科医はこどもの総合診療医」という特別講演があり、とっても感動しました。
いろんな個別の症状から、全身性の病気を導き出す、部位にこだわらない総合的診療の話で、非常にためになりました。
今、内科はすべて専門科(呼吸器・循環器・内分泌・糖尿病・膠原病・消化器・腎臓・神経など)に分かれています。
一方、そのどれにもあたらない分野をみる「総合診療科」というものが新しく増えています。
すべてをまず診る。必要ならば専門医へ紹介する。専門性がない訴えの場合には責任を持って最後まで診る。
なんならば、その人の人生を最後まで看取る。そういうスタンスが総合診療科です。
すごく素敵なスピリットを持った、患者さんにとって自分の命を安心して預けられるお医者さんらしいお医者さんが、
3月まで務めていた厚生連高岡病院にもおられます。自分が病気になったら、診てもらいたいと感じました。
小児科医(特に開業医)は、何でも屋さんです。どんな相談にでも、かならず乗れるだけの、浅くても広い知識を兼ね備えていなければなりません。
生まれたての赤ちゃんから始まり、順調に成長・発達することを見守り、基礎疾患のある・なしにかかわらずその子の人生を連続性を持って診察・治療を行う。
立派な大人に育ってゆくサポート(チャイルド・ヘルス・ケア)ができてこそ小児科医だと考えています。
総合医である以上、どんなつまらないと思われることでもなんでも相談に乗ります。何の遠慮もいりません。
何科にいけばよいのかな?とわからなくなったら、ぜひまず一番に小児科に相談に来てください。