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譲り合えるか、が重要

[2022.02.02]

「家族に体調不良がいたら、学校(保育園)には来ないでください。もちろん本人がちょっとでも体調不良ならば休ませてください。明日は来ないでください」 ★★★ こんなルールがまかり通るぐらいに、幼保や学校はクラスターが起こらないように「必死」です。拒絶反応に近いですが、先生方のこの頑張りを僕も「立派で正しい行為」と認める部分はあります。でも親御さんたちにとってこれは「悲劇」です。仕事にも行けず、日常生活もままならない。今はまだ皆さん素直にこのルールに従っておられますが、そのうちこの体制に苛立ち、ひいては怒りの矛先が「感染症になる子供」に向かないか僕は心配です。

今回のオミクロン株の流行は、もう誰もがコロナになってもおかしくないぐらいに追い詰められています。そして、従来株と質が変わってきたコロナの対策として国もどんどんルール変更をしており、前日まで正しいとされてきたことが、次の日には違うなど、情報変化のスピードに誰も追いつけなくなってきています。かなり混乱しており、情報に追従しきれていませんが、みんなそれぞれの立場で「必死」に頑張っていることは間違いないです。個々人も、教育現場も、社会も、医療現場も、そして国も。ですから個人的には、それぞれが「対立(=喧嘩)」せず、「友和(=譲り合い)」の気持ちで日々の生活を考えるしかないと思います。自分さえ良ければいい、の考えでは絶対にうまくいきません。相手の立場に立って、譲れる部分は譲る気持ちが重要です。そのちょっとした優しさが、お互いを傷つけずにあたたかい社会をつくります。

 ただ、これだけ感染対策をしていてもコロナの何十倍も「感染性胃腸炎」が集団発生し、「アデノウイルス」による高熱児が集団発生し、「RSウイルス」まで増えてきています。所詮、見えない敵(ウイルス)を防ぐことなんて、我々人類には不可能なことなのです。個人の努力もほぼ無力です。社会的に制圧し、根絶することはさらに不可能なんです。正しくあきらめる勇気も必要。最終的な着地点は、「コロナが弱毒化し、普通の風邪となり、今後も風邪ウイルスとして残る世界」になります。今はそんな結末に向かう途中段階。こどもたちの日常をいかに普通に取り戻してゆくのか。小児科医としてずっとそれを考え続けています。今やるべきことと、将来的な目標は分けながら、これからも皆さんの不安に寄り添えるように頑張りますね。皆さんすでに十分に頑張っておられます。そしてゴールが「あと少し」のところまで来ているのも事実だと思います。明るい春を待ちましょう!

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