使い方ひとつで
飲み薬はあまり差は出ませんが、昔っから「塗り薬は塗り方で変わること」を力説しています。何を塗るかではなく、どう塗るかが重要だと。暖房で乾燥著しいこの季節、入浴後20分以内の肌が潤っている間にしっかりカラダ全体を保湿する。そして朝もう一度乾いた肌に保湿する。できるだけ丁寧に。それだけでも相当こどもたちの肌質が違ってきます。何も手を加える必要がないくらいに優れた肌をもっている子もいますが、乾燥肌でよくカラダをボリボリとかいているお子さんには是非この冬もしっかり保湿をしてあげてください。
もう一つ別の話を。いまだにPCRじゃないとコロナの検査はダメ、みたいな考えの方がおられます。もちろん早期診断という意味ではPCRの方がベターな部分がたくさんあります。発症数時間以内や発症前の診断方法としては有意義です。しかし一般的は発熱外来のクリニックでPCRを選択すると、ほとんどが検体を検査センターか外注検査機関に提出します。結果が出てくるのは早くて半日後、遅ければ翌日です。この待つ時間を踏まえると、15分以内で結果が判明する「検査キット」の方が僕は自分の診療スタイルに合っていると考えています。以前にも書きましたが、検査するには、唾液・鼻腔(鼻の入り口をこちょこちょ)・鼻咽頭(鼻+ノドの奥をグリグリ)と各種あります。冷静に考えてみてください。大体風邪を引くとどのあたりが腫れぼったくなりますか?。ウイルスが侵入して増殖している場所が一番腫れます。これはコロナとて同じです。ならば検査は鼻咽頭が一番ウイルス濃度が濃いところで検査の正確性が増します。そして最も重要なのは、検体採取する際にゆっくり丁寧にスワブ(綿棒)を粘膜とこすり合わせるかで、なので綿棒の使い方ひとつで結果が陰性にも陽性にもなるのです。だから僕は仮設外来で必死にスワブをゴシゴシします。ご協力いただくご家族の皆様ありがとうございます。言いたいことは、「何で検査するか?」ではなく、「どう検査をするのか?」なのです。
どんなものでも使い方ひとつで、益になり害にもなります。生活すべてにおいて同じことが言えます。何か一つの物や行動についても、常々そういう意識をもつことで、無駄を減らし危険を減らすことができると考えます。とはいえ、ずっとダイエットに成功せず、腰痛に悩まされてる不健康な僕が言っても説得力はありませんが(笑)。
よくこういう内容を書きますが、そんなの「当たり前」の事なんです。そう、僕は皆さんの「当たり前のレベル」を上げたい。そうすることで共通認識が増え、人と人とのコミュニケーションの質が上がり、より明るい未来を生み出しやすくなる。そういう親・大人が増えることを願っています。特別な知識ではなく、その辺に転がっているものをいかに上手く使えるようになるか?が、重要だったりします。