機嫌が悪くて困るとき
①泣き止まない赤ちゃん
産院の新生児室にいるときは、窓越し面会しているときは、赤ちゃんが泣いていても動いているだけでみているとうれしい。
しかし、自宅に帰ると、シーンとした環境に赤ちゃんも戸惑いをみせ、なかなか泣き止まない。
生後数週間から始まる(コリック「黄昏泣き」)で不安になって受診されるケースもよく経験します。車に乗せちゃうとなぜか泣き止む。僕はあまり表現が好きじゃないのでコリックという言葉はほとんど使いません。
単純な不機嫌。おっぱい飲ませても、抱っこしてあやしても泣き止まないときは、周囲の環境を変えるしか不機嫌が治らないケースがあります。換気扇の音や水道が流れる音など聴覚から攻めるか、
明るい電球をみせて視覚から攻めるか。それでもだめならば、車やベビーカーに乗せるなどの感覚に訴えかけてみるしか泣き止まないときがあります。子育てにまだ慣れていない保護者を精神的に
追い詰めるあのぎゃん泣きは、たしかに困ったものです。
②よくわからないけど、不機嫌
・乳幼児で一番不機嫌で多いのは、風邪ひいて中耳炎になって耳が痛いであろうとき。耳をさわるかどうかをよく観察。
・よーく観察すると、鼠蹊ヘルニア(脱腸)だったりするので、おむつの中もよく観察。
・胃腸炎による脱水症状、または周期的に不機嫌+顔色不良+嘔吐でくる「腸重積」という病気
・ヘルパンギーナや手足口病やヘルペス性歯肉口内炎などで、のどが痛すぎるので食べたり飲んだりすると不機嫌になるとき、飲食の状況をよく観察
・突発性発疹症の解熱発疹期など、風邪で熱が下がってくるときにみられる、よくわからない一日だけの不機嫌
・ごく一部の飲み薬の副反応で起こす不機嫌
などなど、まだいろいろ注意すべき点はありますが、大人の目ではわからない、なにかどこかが「痛い」場合が多いので、非常に不機嫌の場合に、痛みどめとして「アンヒバ座薬」や「カロナール」を
飲ませてみると落ち着くときがあります。困ったときには頼りになる解熱・鎮痛剤。状況を一旦乗り切ることができますから、困った場合は試してみてはいかがでしょうか?
熱がなくても使って大丈夫です。なんとか一晩乗り切って、翌日かかりつけ医に相談しましょう!!