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お薬が飲めないこどもに

[2019.03.12]

小児科が小児科である所以がいくつかあります。内科とは違う部分。まずは診察・検査がスムーズに行かない。これは、自分の症状をうまく言葉にできない子供たちに、一体どこが具合が悪いのか、機嫌が悪いのかを、僕たちも五感を研ぎ澄ませて診察しなければなりません。とってもおりこうさんな子もいますが、やはりほぼほぼ泣き叫ぶ、お口をあーんしてくれない、かなり一瞬での診察勝負になってしまいますが、まあそれは仕方がないですよね。小児科医と獣医は似ていると言われることもあります。

診察が難しいの次にくるのが、「この子、お薬が飲めません」と来られる場合。大人ではまああり得ない話ですが、小児にはしばしばあります。

何を隠そう、僕の子供もそうでした(汗)。小児科医のこどもが、パパの処方したお薬を飲まないなんて。。。シロップにしても、粉薬に変えても、まあどうやっても飲まない。

服薬ゼリーに混ぜる、溶かして凍らせて氷にして食べさせる。最後には本人が一番大好きな食べ物と混ぜてそのものが嫌いになる(これは絶対にやめましょう)。

親の苦労もむなしく、口に入れると全部ぷーっと吐き出して、ガッカリしてしまっていました。

こんな時に助けてもらったのは、市販のこども風邪シロップです。アンパンマンが活躍する。上手に味付けしてあるらしく、ごくごく飲む。

効果効能としてはもちろん僕らが処方する薬の方が高いですが、「飲まない薬はただのゴミ」。飲めてこその薬です。だから、どうしてもお薬を飲めないお子さんについては、市販薬にわらをもつかむ気持ちで試してみるのもよいと思います。

では一般に、お薬を飲まないと治らない病状が(とくに3歳前ぐらいの小さいお子さん)あるか?といわれると、これまた微妙なんですね。

鼻水はほおっておきましょう。咳はテープでなんとかしのぎましょう。熱がでたら座薬で。そんなこんなしているうちに、時間が経てば自然に治ることも多い。

 「絶対に飲んで下さい」という薬は、かならず僕らの方からお願いをします。

だから、それ以外のものについては、「飲んだ方が早く治りますよ」という意味での処方だということをご理解ください。

答えはないんですが、困ったり悩んでいるときには、僕らと親御さんで一緒に悩みながら何とかしましょう! 

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