熱型から推測できるもの
いろんな感染症がありますが、それぞれ発熱したときにちょっと特徴的な熱の出方、推移をします。そういうことからだけでも「もしかしたらこれ?」って推測できることがあります。
医療的には熱は、①稽留熱(けいりゅうねつ)<高熱があがりっぱなしで下がることがない>②弛張熱(しちょうねつ)<一日内で高熱←→微熱になるが平熱にはならない>③間歇熱(かんけつねつ)<上がったり、平熱に戻ったり>と分けます。
たとえば、インフルエンザ(Flu)やアデノウイルス感染(プール熱)などは、一旦発熱すると①稽留熱になることが多い。で、Fluは熱でぐったりしますが、アデノは高熱の割にやたら元気で遊びまわっている。
溶連菌の場合、夜熱があったけれど朝には下がって、保育園に行かせたら熱が出て、という③間欠熱パターンになりやすい。熱がなかった朝に、なんとなく元気と食欲がないというのも特徴。
肺炎や中耳炎など、抗生剤治療が必須の病気は、軽症ならば間歇熱になりやすく、重症になると弛張熱から稽留熱へと移行することが多い。
ただし、この類にあらずのこともありますので、こうだから安心とかこうだから危険ではないのですが。
でも、ただ単に「熱が出た」ではなく、「こんな感じの熱が出ている」という情報が得られると、診断や治療のよきヒントにもなります。
是非みなさまにも、この「熱型」が重要であることを知っておいていただけたらと思います。