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結果が全てのこの世の中で

[2019.09.05]

RSウイルスは一部の保育園での集中的な流行。まだ夏場らしい下痢や便秘のお悩みの方。やたら大きな虫刺されに困っておられる方。急に熱がでてヘルパンギーナ。まだいるリンゴ病や手足口病。

外来はバラエティ豊富ですが、ちょっと風邪気味のお子さんが増えてきた印象はあります。今一度意識して、帰宅後の手洗いうがいの励行をお願いいたします。

 

小学校の卒業アルバムに、将来の夢は?という問いに「世界の首領(ドン)」になると書きました。今見ると顔から火が出るぐらいに恥ずかしい(笑)。いったい何を夢見ていたんでしょうかね?

医者になりたての頃、まだ未婚で子育てをしたことがない未熟な頃、外来で保護者の方に「あのね、医学的には(かぜ)という診断名はなくて、、、(屁理屈屁理屈)」と懸命に力説し、納得しないご家族と、ちょっと論破してやったぜ的な自己満足の自分の噛み合わなさに、さほど疑問に思わなかった時代があります。あの頃に戻って、皆様に謝りたい(笑)。 ほとんどの病院を受診される患者さんに大事なのは、どんな病気かどんな状態かという専門的な知識よりも、いつどう治るのか?が最も大事なことを、未熟な僕は気付けなかったのです。結婚して自分のこどもをもってみて初めて、「1分1秒でも早く熱が下がってほしい、咳が止まってほしい、下痢が治ってほしい、お肌がきれいになってほしい」そういう親心の何たるかを身を持って経験しました。僕が日本一肛門刺激が上手い小児科医と自負するのは、自分のこどもの便秘にずっと向き合ってきたからです。何故でないのか、どうして出ないのかの理由を突き詰めるより、どうやれば出るのかを実現できる方がよい。偉そうに小難しいことを話しがちですが、大事なのは治すこと。治るという結果が全てなんです。要望がそこにある以上、我々は結果を出すことが最優先なのです。なので自分を信頼して期待して受診していただけることへの感謝を忘れずに、結果が出せるように日々努力をしています。でも上手くいかないことも多々あり、申し訳ありません。

一般社会においても、地道にさぼらずまじめに仕事はするけれど結果が出ない人よりも、要領よくてずる賢くて効率的に結果を出す人の方が、成功者として認められます。厳しいですがこれが事実。勝たなければ、負けなのです。

でも、本当のところはどうなんでしょうか?勝つ人がすぐれた人なのでしょうか?一部の成功者だけが正義なのかというと、僕はそうは考えません。

人を出し抜いてずる賢く勝利するよりも、結果が伴わなかったとしても地道に努力をする気持ちを持つ人間の方が、人間的価値が重いと思います。

何かをしたい。でも上手くできないこともある。でも一生懸命さだけは誰にも負けないし努力も惜しまない。そこに結果なんてどうでもよかったりしませんか?

だから今のこどもたちにも、「ずる賢く勝者になれ」と教えるのではなく、「地道にコツコツ努力を積み上げられる人間になれ」と教えたい。努力は裏切らないと。効率厨(無駄なことはしたくないタイプ)が多いですが、誰かから教わるのではなく、自分で思考錯誤しながら、失敗しながらでもいいから努力を積み重ねていくことこそ、本物の人生の体力になると思います。

10年後にもしこのブログを自分が読んだときにも、同じ意見でいられたならば、それはきっと今の自分が言っていたことが正しかった証明になりますね。

SNSの普及で、世の中に向かって何かを発言することが可能となりましたが、その発言は今の旬を追い求めるのではなく、10年20年100年たっても変わらない正義を語れたらいいなと思います。

コツコツやる方がいいのです。自称「一夜漬けのプロ」「刹那にしか生きない男」の僕に、ぜひこの「コツコツ」という言葉をしっかり覚えるように誰か指導してください!(笑)

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