必ず終わりはある
否応なしに毎日新型コロナウイルスの話題ばかりですが、まあこれは仕方がありません。学問的には、新種のウイルスは初動での封じ込めが失敗した場合には、全人口の6割程度が感染しないと終息に向かわないことがわかっています。この危機の初期段階の今、世の中が行き過ぎな自粛になるのも間違ってないと思います。しかし、小中高を休校にするのは保護者の方にもダメージが大きいです。受験は?、卒業式は?学校側も対応が大変です。 そもそも、医療従事者側の危機意識と、国や役人さんたちの危機意識に大きな溝があるのも事実です。絶対に表には出しませんが、国の第一優先は「経済」であり近々の目標は「何としてでも東京オリンピックの開催」だったと読み取れます。当たり前です、専門分野ではないので、読み間違えます。最初から「これはヤバい」と政治が気づき、そして日本にもCDC(疾病予防管理センター)があったならば、医療者側が主導して政治・政府を動かすような体制があれば、ここまでお粗末な初動にはならなかったと思われます。病気に対する熱量が、医療者と国では全然違っているのが残念です。我々は「患者さんを守る」という意識ですが、国は「国民を守る」が「感染症を拡散させない」ではなく「経済を麻痺させない」という点に重きを置きすぎたんだと思います。今からでもいいので、もっと実践的な相互協力を、医療側と国側でなされることを期待しますし、最前線で検査もできず、診断も治療もできない疾病と戦わなければならない医療者側としても、そこは冷静に対処しなければならないと覚悟しております。 どんな感染症にも必ず終わりはあります。終わりが見えないから不安が増長しますが、必ず終わりはきます。負けない気持ちが大事です。致死率2%は低くはないですが、かかると全滅するわけではないのです。「98%は回復している」という事実に目を向ければ、自分が2%か98%かどちらを引くのか?と想像すると、悲観的な気持ちにはならないと思います。とにかくみなさん、大人な対応をしましょう。「自分だけ良ければいい」「自分だけ安心したい」という卑しい発想は絶対にしないで欲しいものです。苦難のときほど、お互いに助け合いましょう。