こだわりすぎない
今クリニック周辺では、熱のみのヘルパンギーナ(夏風邪)とゼーゼーして熱が長い風邪が流行っているので、昨日以前と全く同じ内容でブログを書いたことをまずお詫び申し上げます。
さて、患者さんに説明するときに、「絶対こうじゃなければならない」ではなく、「こうだった方が良い」と言うのが僕のポリシーです。
医師ー患者関係のなかでは、やはり医師が上(強い立場)で患者さんが下(弱い立場)になります。
強い立場の人間が、強引に自分の型にはめてしまうことは簡単です。でも、叱って、脅して、服従させるやり方は決して良くない。
そもそも世の中には〇〇原理主義のような排他的な強烈思想がありますが、そんな考え方は絶対に間違っています。
人間生きてゆく上で、人それぞれに正解がいくつもあるのが当然です。
思想の柔軟性を欠き、自分の知っている常識だけが、さも世の中の常識だと押し付けることは「洗脳」に近く、やってはいけないことです。
これは、上司・部下関係や、先生と生徒関係、夫婦関係、嫁姑関係でも同じことが言えますし、親子関係にも通じます。
育児ポリシーがあるのは悪くはないのですが、強い立場の親が弱い立場の子に常識を押し付け、常識を逸脱したらそれは悪いことと判断する。
本当にそうでしょうか? 決めつけ過ぎてはいませんか? 立場が逆だったら、自分はどうされたいですか?
もっといろいろな考え方があったり自由があったり、親の常識を超えてもっとよい発想が生まれたりすることもあると思います。
自分の考え方にこだわり過ぎず、違う考え方にも耳を傾け、冷静に判断してみることも大切です。
そして、自分の思いと違った場合でも、一度その意見を受け止めてあげること。温かい優しさで話し合ってみること。
「そうじゃない!(否定)」より「そうだよねえ(肯定)」から会話を始める方がよい。
そんな器の広さが親には求められると思います。生きてゆく上で、ままならないことはたくさんありますが、それを甘受してこそ楽しい人生だと思います。
1年前に何を悩んでいたか、はっきり覚えてないでしょう(笑)。人は、そういう生き物なのです。
こだわり過ぎないのが、人生をうまく生きるコツです。