健やかなるときも、病めるときも
昨日午後休診させていただき、久しぶりに自分が「患者」になってきました。小さい手術を受けてきたのですが、終わったあとからぐったりでした(汗)
当然ひとりで治療を受けるわけですが、まあなんか心細いし、緊張感バリバリで、いい年ですが誰かそばにいて欲しい気持ちになりました(笑)
ここ最近、「入園前健診」をお願いしますと受診される方がちょっとずつ増えています。
今まで予防接種や6,7か月健診、9,10か月健診に来られていた小さなお子さんが、いよいよ保育園デビューとなりママたちは職場復帰される日が近づいてきているんですよね。
短い期間ですが赤ちゃんから1歳になるっていう成長は著しいので、それを診させてもらえるのは小児科医としての幸せです。
ですが、必ずといっていいほど入園したてのお子さんは4,5,6月ぐらいはずーっと何か風邪を引いていたり熱が上がったり下がったりでトラブル続きになり、親御さんも職場復帰したばかりなのに呼び返されて、生活のリズムがつかめなくてとっても悩まれます。こういう状況を「保育園症候群」といったり「保育園通い始め症候群」という言い方をする先生もおられます。
自宅でパパママとだけ一緒に、平和に生活していたときとは違い、集団生活の荒波の洗礼を受けて、ひっきりなしに感染症をもらってきてしまいます。お子さんのせいではなく、環境がそうさせる。
ママさんたちとしても、やはり子供が急に熱を出して職場からすぐに駆けつけるのも大変ですし、ましてや朝から「子供がちょっと熱をだしているのでお休みをください」と会社に電話するのも心苦しくなる。
しまいには、「なんで熱なんか出すの?」とふいに子供を責めてしまう気持ちすら起こしてしまう場合も。
お子さんたちも当然好きで具合が悪くなっているわけじゃありません。健やかなるときも、病めるときも、本当はママと一緒に過ごしてママに甘えたい。きっとそう思っていると僕は推測しています。
病児保育に預けるのもなかなかハードルが高かったり、すぐに預かってもらえなかったりと気軽な感じではない。なかなか、フットワークの軽いジジババをお持ちの家族ばかりではない。
もろもろの問題を踏まえて小児科医としては、遠い未来の話として「子育てママが子供が病気になったら休みを取りやすい社会」が、子供にとっては一番なような気がします。
これはすごく賛否あると思いますが、本当に病んだときにだれにそばにいて欲しいか?と考えての僕個人の意見です。みなさんはどうお考えでしょうか?
最後に一つ皆様にお願い。入園前健診は、他の健診と同等に手がかかり、自費診療であるため、一般診療とは別に基本的には「予約」での対応のみにさせていただいています。
なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。受診される前に、ぜひ一度電話にて予約をおねがいします。