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水いぼ、とる?とらない?

[2018.06.28]

プールの時期になると、今でもこの話が必ずでます。

伝染性軟属腫(水いぼ)は、ポックスウイルスの一種が原因の皮膚感染症です。脇の下にかけてポツポツと丘疹ができます。大きくなると、イボらしい茎をもつこともあります。

ウイルスが原因であること、悪い病気ではないこと、接触感染すること、プールの水ではうつらないこと(プールに入っていいこと)、数か月から半年ぐらいで自然に治ること。

これらについては、保育や学校の現場ではかなり周知されてきたと思います。

しかし、①医学的には治療の必要性はない(自然治癒を待てばよい)、②社会的には治療が望ましい(うつす)、この二つにずっとはさまれている現状です。

水いぼをピタリと消すお薬はありませんし、予防接種もありません。個人がウイルスに対する抵抗力(抗体)ができて、自然治癒するのを待つのみです。

当然塗り薬もありません。飲み薬として有名な「ヨクイニン」という漢方薬も(効く)というよりも(増やさない)ぐらいの効果しかありません。

ここからが悩みどころで、皮膚科医へ行くとトラコーマ鉗子(みずいぼ用のピンセット)でとられます。液体窒素でやく方法をとられる先生もいます。

一方、小児科医でとる人はもういないと思います。自然治癒するものに、痛い目にあわせて、病院に対する恐怖心を植え付けることは小児科医ならば避けます。

ただし、個数が非常に多いもの、もともとお肌が弱い子にできた水イボに対しては、多少の治療が必要であることも事実。

とる?とらない? どちらも間違ってはいません。一人ひとりの症状に応じて、今対応すべきかどうかを決めましょう。

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