じんましんは突然に
晩ご飯食べたあとに、急に体に赤い地図状のボコボコが出てかゆがって‥、「何のアレルギーか調べて欲しです」と来院されることがよくあります。
もともと、卵を食べてぼちぼち、ヨーグルトやうどんを食べて唇も目も腫れたなど、食材がはっきりしている場合は明らかに食べ物に対するアレルギーになります。
近年、アナフィラキシーという言葉も浸透し、保育所や学校での食物アレルギーに対する管理も厳しくなってきています。
蕁麻疹だけにとどまらず、吐く・熱が出る・咳が出る・ゼーゼーするなどの症状が出た場合には、食材に対して慎重な対応が必要となります。
誤食によるアナフィラキシーショック死も毎年ニュースになりますので、専門医下での管理、エピペンの使用も世の中に周知されるべきです。
一方、何を食べたかわからないけど、食事後やお風呂に入ったあとに蕁麻疹が出たときには、実は採血で検査してもほぼ何も陽性に出ません。
普段はアレルギーがない子の突然の蕁麻疹、原因としては
①おなかの調子が悪く、消化吸収能力が弱くなっていて、いつもは大丈夫な食材にたまたま反応してしまう
②食材自体(魚・野菜・果物)などに、アレルギー反応を起こす「ヒスタミン」などが多く含まれている場合
が考えられます。
そういう「一過性中毒疹」とも呼べる蕁麻疹は、出現してからほぼ1-2時間で自然に消失します。
この場合は、普段の食物除去や食材に気をつける必要はなく、症状が出たときにだけ抗アレルギー剤を飲むと良いです。人生で1度きりしかない子もたくさんいます。
必要に応じて検査はしますが、蕁麻疹=食物アレルギー=きゃーっという発想にならないでも大丈夫なことをご理解ください。