「何を」ではなく「どう」使うかが大事
えー、長らくブログを書ける状況ではなかったため久しぶりになりました。
よくよく同じ話をするのが得意(言ったことをすぐ忘れるので、もしかしたら年のせい?)な僕です。
みなさま、お子さんが風邪を引いたときにもらうお薬って、現実には種類が少なくて決まったものしか出ていないことにお気づきだと思います。
もちろん、咳であればその咳を引き起こす病態によっても多少の投薬の違いがありますから、しっかりと必要な診察・検査したうえでベストな処方を我々は心がけています。でもなんかいっつも同じじゃんと思われる方も。
言い換えると、そこには「どんなお薬を使うか?」ではなく、「そのお薬をどういう方法で使うか?」の方が大事だったりするのです。さじ加減が重要。
今回の手足口病(ヘルパンギーナ)は、ちいさいお子さんたちの「のどの痛みで食欲がない」という症状が若干長めに残ります。熱もつらいですが、痛みはさらにつらい。
小児の解熱剤は「アセトアミノフェン」というものが唯一処方できるもので、(アンヒバ座薬)(アルピニ坐薬)(カロナール)(コカール)などのすべてのものは成分はアセトアミノフェンです。
飲み薬ならば30分程度で効果がでます。座薬はもう少し早くて20分ぐらいで熱がさがります。で、もう一つの効果が、痛みをとる「鎮痛剤」としても利用できることです。
熱はないけれど痛みがあって機嫌が悪いし、夜もぐずって眠てくれない。そんなときは寝かせたい30分前ぐらいにアセトアミノフェンを使用してみてください。
大人と同じでこどもも、「熱がある」「痛みがある」ときは静養できません。うまいお薬の使用法が、元気を取り戻すカギなのです。せっかく処方してもらったお薬も、上手に使わなきゃ宝の持ち腐れになります。
数少ない小児に使えるお薬を、いかにうまく利用できるようにお伝えするかということも、小児科医の役割だと思って日々頑張っております。