僕が総論しか話さない理由
本日は牧野小学校の学校保健会に講師としてお招きいただきました。
現在小学校が取り組んでおられるソーシャル・スキル・トレーニング(STT)について、スクールカウンセラー(SC)の先生のお話しもあり、すごく実践的なお話しを聞かせていただきました。
一方僕は「家庭における親子のコミュニケーション」と題して、具体的な話はせずに「心構え」的な総論のみお話しをいたしました。
僕が小児科医としてずーっと温めていた想いを、保護者の方に伝えられる貴重な機会をいただき大変感謝しております。
かなりの極論なので反論がある方はあるのは承知の上です。でも今日の話を聴いていただいた方のなかで、このテーマに関して自分ならばこう思う!という「気づき」があれば、僕としてはうれしく思います。
「気づき(総論)」があれば、今度は「どうすべきか(各論)」という気持ちが必ず芽生えます。各論については、誰かから聞いた話や本を読んだりしても基本的には身になりません。
「自信を持つ」ためには、やはり自分で考え自分で行動する「実践」のみが本当の力となります。だから各論はお話しする必要はないと思っています。
スマホ世代の現代の子供たちには、従来型のコミュニケーションのものさしでは測り知れない難しさがあります。便利ですが非常にやっかいになりました。
しかし、最終的には対人コミュニケーションは「お互い目をみて喋る」に尽きます。
思春期を迎えてくると、なかなか親の思い通りにはならないこどもたちになりますが、たまには本人たちが描く将来の夢や現状の悩みなど、親子で膝突き合わせてじっくり語り合ってみてはいかがでしょうか?
親も親として成長が必要だということを、以前よりずっとお話ししてきました。「親力」を磨くために、都合よくほめるだけではなく、失敗を恐れることなくこどもと真正面から向き合ってみましょう。
もちろん毎日真正面だと、親子ともども疲労しストレスがたまります。ほどほど、基本は楽しく。疲れないほどのまじめさがちょうどよいと思います。