朝起きから始める、睡眠の大切さ
校医として年1回、牧野小学校でお話しする機会があり、今回11月25日に「睡眠とは?」みないな内容で4・5・6年生に向けてさせていただきました。
睡眠とは何か?という問いに、正しく答えられる人は少ないです。睡眠の定義は「①意識と外界との間に壁が作られて、知覚が遮断されること。②ただちに取り消しができること」です。定義にこだわる必要は全くないのですが、睡眠とは意図的に作られるものではなく、これを我々は自発的にまた周期的にいたって自然に行っています。
睡眠中に人間はスイッチオフになりすべての活動を停止するわけではありません。パソコンやスマホの電源offとは違います。だから②ただちに取り消しができて、覚醒した瞬間からほぼすべての機能が発揮できます。視交叉上核にある「体内時計」で昼と夜を管理されている我々人間は、生理的に夜「暗くなる」と眠くなります。睡眠中は当然脳の休息もするのですが、レム睡眠期にはその日にインプットされた情報の整理や記憶の定着など行います。要するに寝ると「アタマが良くなる」のです。そして成長ホルモンが分泌されるため、身長も伸びるし、疲れも回復したり、免疫力を高めてくれます。なので睡眠は「カラダにも良い」。睡眠はストレスも軽減するため「ココロにも良い」と、いいことづくめです。睡眠中にはノンレム睡眠とレム睡眠の周期性があり、これが約90分というリズムがあるため、90分の倍数だと目を覚ましやすく、大人は7時間半睡眠が理想的です。もう少し短くという方は6時間で起きましょう。こどもは小学生の頃は9時間がベストです。
スマホ・ゲーム世代の今の子供たちは、入眠のスイッチ要素である①暗さ②静かさ③適温をうまく作れないので、夜なかなか眠れないという子たちが多いです。僕はみんなに伝えたのは、「何時に寝るかを決めるのではなく、何時に起きるか?を起点にして生活リズムを整え、体内時計が狂わないようにすれば、必ず眠れるようになる」と説明しています。朝決まった時間に起きれず、ダラダラしてしまうと、体内時計にきちっとしたリセットが起こりません。offの時間を一定に揃えるのは難しい、でもonの時間を一定にすることは簡単です。とにかく、起きよう!起こそう!ということが重要です。
でも朝、「もう少しだけ!」っていう気持ちもよーくわかります。あと10分だけ!のうたた寝が一番深い眠りだったりしますもんね。寒くなりなかなかお布団から出られない季節になりましたが、「何時に起きる」って自分のルールを子供たちに確立させてあげてください。体内時計の乱れが、脳の乱れになり、それがいつしかココロの乱れにつながらないように。