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夜中になると咳き込むのは何故か?

[2021.11.23]

当ブログで最も閲覧されているのが「子供の胸痛について」です。コロナ禍でいかにそういう不安定な心の傷を負った小学生たちが多いのかを垣間見ます。

第二位は「咳込んで吐きますは良くないことか」です。最近こどもたちの間で流行しているのは、ライノウイルスと考えられる「咳がひどくなるかぜ」です。発熱期間は短く、熱がない子もいます。きれいな鼻水が出るまでは普通ですが、日中はやたら元気なのに、夜だけ激しく咳込みます。ゼーゼーして気管支喘息発作を起こす場合もあります。夜だけとなると親の睡眠を妨げられるので、パパママはたまったものではありません。なかなか厄介な症状です。

改めて、なぜこどもは夜中に咳込みやすいか?と言う機序は、我々の人間生理に基づいています。寝ると副交感神経優位となるため、気道自体が細くなります(寝ると、呼吸もエコノミーモードになります)。気道が狭くなると、気道に貯まった分泌物(鼻水や痰)が詰まりやすくなり、それを異物とみなして「咳反射」が起こります。またこどもは、口呼吸をせずにかたくなに詰まっている鼻で鼻呼吸をします。だから鼻水が喉に落っこちてきて咳込みます。決まって寝てから30分とか1時間ぐらいで咳込むのは、こどもの睡眠周期と重なります。深い眠りに移行する30分後と、深い眠りから浅い眠りに移行する1時間後ぐらいが、咳き込みやすいタイミングになります。ウトウトしているとなかなか咳込みが落ち着かないので、僕は「1回しっかり起こしてください」と言ってます。起きて、咳で吐いてしまえば、その後は一晩ぐっすり眠れたりします。だから咳込んで吐くのは悪いことではありません。

 急に寒くなりました。寒さと乾燥は気道の粘膜浮腫の刺激になります。夜中も寒くならないように、しっかり暖房を利用してください。加湿に関しては、過度な機械は必要なく、してあげられる範囲で。小まめな水分摂取だけでも効果はあります。鼻水程度なら放置で良いですが、咳込む場合はお薬があった方がこどもたちは楽になります。

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