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解熱剤あれこれ

[2018.06.10]

クリニック周辺の高岡・射水地区にはまだアデノウイルスによる扁桃炎が多いですが、もうそろそろヘルパンギーナや手足口病(これは基本的に同じウイルスで症状の出方がちがう)が流行してきそうです。

こどもの体温は夜に向かって上昇するので、親御さんも不安な夜を過ごすことが多いと思います。

熱を下げるお薬は、子供の場合ほぼすべて「アセトアミノフェン」という薬品です。シロップも粉も錠剤もすべてこれです。マイルドな解熱剤で、軽い痛みどめにも使えます。

実は薬局・薬店にも座薬は売っていますし、子供かぜシロップのなかにも同様の薬品がはいっています(OTC薬は、量が少なめに設定されています)

効果が出るまで、飲み薬は30分程度かかります。座薬だと20分ぐらいで効いてきます。有効血中濃度が約4-5時間なので、6時間毎ぐらいに使用することが可能です(1日4回までOK)

どちらも同じ薬剤なので、口・おしり、どちらから入れるのが確実かということで、お薬飲むのが苦手な小さなお子さんはやはり座薬が便利です。

 

さて、使うべきか、使わないべきかを考えるうえで、大事なのは「発熱」でどれぐらい元気がないか?という点です。

発熱という事象に対して、耐久力の高い子もいますし、弱い子もいます。熱に打ちのめされやすいタイプのお子さんは、症状を緩和するために積極的に使ってかまいません。

使うと治りが遅くなるという迷信もあります。一部間違ってはいないものの、病気を早く治すのに我慢を強いるのと、多少長引くにしても、つらい時間を減らすと考えてどちらがよいかを判断するべきです。

使うべき体温は、平熱より1℃以上あがった場合(乳幼児ならば38.5度が目安)です。

使うタイミングとしては、手先・足先が冷たくなっていないときがベストです。震えているときはまだ寒いので、しっかり毛布でくるんで温めてあげましょう。

もちろん、40度近い熱があっても平気で遊び・食べているのならば、使わないでよいと思います。

使うタイミングによっては、体温が下がらないときもありますが、そもそも40度を37度まで下げるのが目的ではありません。せいぜい1から1℃半下がれば、からだは楽になります。

その後の経過を静かに待ちましょう。

 

参考までに、発熱中の入浴はすごく体力を消耗するため、おすすめしません。温タオルで清拭するか、さっとシャワー程度にしておきましょう。

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