週末やイベント前になると出る熱
お口をアーンとあけると、のどちんこ(口蓋垂)の両側に見えるのが俗にいう扁桃腺です。正式名称は口蓋扁桃(こうがいへんとう)と言います。
扁桃は「リンパ腺」の一つです。鼻やのどから入るウイルスやバイ菌が、奥の気管や肺に入るのを防ぐバリアとしての役割を担っています。
こどもって風邪を引きやすい。風邪をひくと扁桃腺は一過性に腫れる。そして自然に縮小する前にまた風邪を引いてしまう。
そういう繰り返しから扁桃腺はどんどん大きくなってしまいます。だからこどもが扁桃腺が大きいのは、普通なのです。
ずばり、扁桃腺が腫れやすいか腫れにくいかは、遺伝もあります。
問題なのは、腫れた扁桃腺自体が物理的に大きすぎて、ブロックではなくて悪さをする場合です。
具体的には
①反復性扁桃炎・習慣性扁桃炎になる(年4回以上なることをそう呼びます)
②溶連菌感染をおこしやすい
③閉塞性呼吸(いびきがひどい、仰向けに眠れない(横かうつ伏せ寝)、睡眠時無呼吸)
④中耳炎になりやすい、耳の聞こえが悪い。
習慣性扁桃炎は、1週間の疲れがたまってくる週末や、運動会・遠足・家族旅行などのイベント事の直前などに急に発熱します。
ストレスやワクワクでも熱を出してしまうのです。一晩で熱が下がればよいのですが、5日以上熱が続く場合などはよくありません。
現代ではあまり積極的に扁桃摘出をすることはなく、保存的に様子を見ながら成長とともに自然に扁桃が縮小するのを待つ場合が多いです。
一方、上記のようなマイナス因子が多いときには手術をお勧めします。
扁桃摘出する場合は、ある程度聞き分けができる年齢(4歳から6歳の未就学児)頃がよいと言われています。
最終的には耳鼻科にお世話になりますが、ヘンテコなタイミングでの発熱が多いときは、もしかして扁桃腺?と、一度小児科医にご相談ください。