首のグリグリ
[2018.07.20]
「首にグリグリがあるのですが」と診せに来られる患者さんがときどきいます。
だいたい米粒大から小豆大くらいのものが、あるとき突然に首筋のどこかにコリっと触れて、心配になってこられます。
赤ちゃんだと、髪の生え際の耳の後ろあたりの後頭部(乳様突起といいます)に米粒大のものが両側に触れたりもします。
表面がツルっとしていて、動く(固定されていない)、見た目には腫れたり発赤があったりしません。
これらは、「リンパ節」といわれるものです。異常な腫瘤(しゅりゅう)ではありません。
場所によって後頸リンパ節・耳介後リンパ節・浅頚リンパ節・深頚リンパ節・あごのしたですと顎下リンパ節と名称があり、じつは顔面部にはたくさんリンパが流れています。
活発に免疫機能が動く乳幼児にとって、頭部・毛髪部・顔面部に傷や湿疹などがあると流れに沿って所属リンパ節がコリコリと腫れることは全く正常です。
風邪を引いて、のどが痛くなった後などにも、顎下や頸部のリンパ節はよく腫れます。それも正常な反応です。
リンパ節は、体全体にバイ菌が巻き散らかされないように、免疫の防波堤の役目をしてくれています。
腫れていても、数か月たつといつの間にか触れなくなりますので、放置しておいて構いません。
ついつい気になりますが、悪性のものはまずないので心配しなくて大丈夫です。