大きくなったら
ありがたいことに、今年ひとつの小学校の校医と、ふたつの保育園の園医になりました。
春の内科健診をさせてもらいに行きますが、1学年に100人程度いると、1回の診察で2学年みるとへとへとになってしまいますし、下校時間との闘いにもなります。
僕らが小学校のとき、1学年40人で6クラスあり、中学校にいたっては10クラスもありました。
同級生にも知らない人がたくさんいた時代。とにかく目立つ、しゃしゃり出て、人の海に埋没しないのが僕のポリシーでした。
さて、保育園の健診のときは、コミュニケーション能力を診るために、年長組さんには「おおきくなったら何になりたいですか?」と聞くことにしています。
例年ですと、ひとりの子が「警察官」というと、そのあとみんな「警察官」になったり、「パティシエ」というとみんな「パティシエ」になったり、うつるのがおもしろいのですが、
今年はなぜか「何にもなりたくない」という子がいっぱいになってしまいました(汗) 緊張していたのかな?(笑)
共働き率日本4位の富山県。非常に勤勉で真面目な県民性ですが、目立つことを嫌い、ひそやかにお金を貯めるといったネガティブな側面もあります。
昨今の若者は(これをいうと完ぺきにおじさんですが)、働くこと厭い、好きなことだけで生きてゆきたい、それを正々堂々と公言することをためらいません。
週休二日以上、ほどほどの給料、責任なし。これが今の大学生の就職意欲。おじさんからすると残念でなりません。
まだまだ社会の現実をしらない子供まで、夢がないのはさびしいなと思います。
だからこそ、僕は胸張って夢を語り、夢に向かって生きてゆくすばらしさを伝えられる大人を育てたいと考えています。
こどもたちには健全な精神と健全な肉体を。そして、少しでいいから、誰かに優しくできる心に。