◆赤いオムツと検尿
赤いオシッコが出たので血尿でしょうか?と心配されておむつをもって受診される患者さんがいます。
オムツをみさせてもらうと、一部だけ表面的に赤みがあり、一瞬たしかに血液?って印象をもつこともあります。
若かりし頃の僕は、赤ちゃんに採尿パックをはってオシッコを検査して、いつも血尿ではないことを確認しておりました。
ちゃんと文献を調べてみると、それは健常なオシッコに含まれる「尿酸塩」という尿の結晶が紙おむつに触れるとオレンジから赤に染まると書いてあります。
尿のPHとも関連しており、汗をかいてオシッコの量が少なくなる時期などにはこういう出来事が多くなるので、そんなことがあっても慌てないでください
ほとんど1回しかなく、その後はおむつを換えても普通通りなので。病気ではありませんからご安心を。
また、保育園・学校の検尿で「尿潜血±」や「尿タンパク±」などで再検査になる場合もあります。
実際に病院で検尿をすると異常なし(潜血-)(タンパク-)のことが多いです。
検尿する意義は、検尿でしか発見できない、小児の慢性腎炎(腎臓の病気)の早期発見・治療を目的としております。
通常は「タンパ尿+血尿」という混合タイプの検尿異常になります。どちらかだけというパターンは少ないのです。
例えば潜血だけの場合は「無症候性血尿」が多いですし、タンパクのみの場合は「体位性タンパク尿」が多いです。
いずれも病気とは違いますので、年1回程度の検尿で経過観察すれば、あとは放置しておいて構いません。
昨今非常に小児の腎疾患は減りました。ほとんどは大丈夫と言い切れますが、腎臓は静かな臓器といわれ、
無症状のまま病気が進行してしまう可能性がありますので、集団生活のなかでの検尿というシステムはこどもたちの健康を守るために重要な健診だと思います。