思春期病
今日、とある用事があり小学校に午後からおじゃまさせてもらいました。
校長先生・教頭先生・養護教諭の先生・クラス担任の先生の、生徒に対する責任感の強い「真摯」な気持ちがとても感じられ、有意義なお話しを聞かせてもらいました。
いきなりですが、我々は「日本人」です。日本という国に生まれ育ち、日本の法律に守られつつ縛られて生きることを求められます。大人になれば、常識の違う海外へ逃げ出すことも可能ですが、子供にはできません。
「学校に行きたくない」という悩みは、「義務教育」が「義務」であり「権利」ではないところから派生してきます。いかなきゃならない。こんなルール誰が決めたん?と疑問に思い始めると非常に悩みが深くなります。
小学校高学年から中学生まで、「厨二病」と呼ばれるような、子供独特の心理状態があります。やたらと「友達・SNS」にふりまわされたり、「家族」が気に入らなくなったり、「先生」が気に入らなくなったり。
こどもが、精神的な社会的自立をしてゆく葛藤期特有のこころのバランスを崩すのが、思春期病と言われるものです。
単純に考えると、「義務」が終わる中学卒業でその心の葛藤は終わります。高校進学は「自由」「自己責任」において進学するわけですから。
しかし、まだまだそれまで先が長い段階でこどもがこころのバランスを崩すと、親は冷静ではいられなくなります。心身症は、子供自身の問題と親の問題の二つの側面は含んでいるのです。
問題が起きたときに、大人はどう考えるか?。「今すぐ解決できるか」と「待つしかない」ものなのか?を見極める必要があります。
病院でも悩みを相談される方がおられますが、検査したらわかるものや、薬で治るものはほぼありません。多少のお力にはなれるかもしれませんが、根本解決には至りません。
では、親はなにをすればよいのか?。僕から言えるのは、①自分を責めない(自分が悪いのかもと不安にならない) ②子供が悪いとレッテルを貼らない(自己評価をさげるような言動は絶対に避ける)
③「こういうふうになったらいいね」というポジティブなビジョンを多く語りかける ④短期的な結果はどうあれ、「親にしかできない最大限の愛情」を子供に示してあげる。
具体的なことよりも、その問題を「どう受け止めるか?」が大事だと思っています。
そしてずーっと言っていますが、こどもから逃げずに真正面からぶつかってあげること。これができたならば、きっと将来こどもが成長したときに、良好な親子関係のままお互いに大人になれます。
こどもの常識の世界は、子供にしか理解できない。ならば、とことん待ってやる、という覚悟が最高のお薬だと思います。
いよいよ高校入試も始まります。受験生を持つ親御さんも、気が気ではないと思いますが、優しく見守ってあげてください。