夏風邪がRSウイルスをしのぐ勢いです
この1週間ぐらいで、こどもたちの生活にいったい何があったのでしょう? 4歳未満の子供たちの夏風邪が爆発的に増えています。RSの流行がようやく収まったやいなやのこの出来事に驚いています。オリンピックについつい浮かれてしまいますが、日本は恐るべき勢いで新型コロナ感染患者が増加中、僕らが住む高岡でもそろそろ他人事ではありません。もはやどこまで迫っているかわからないほど危険な状況なのに、子供たちが大量に発熱して病院を受診する羽目になっています。もはや僕たち小児科医がどんな注意喚起をしても皆様の心には届くことなく、行動変容も起こせないと諦めの境地です。ただ見守るしかないです。とにかくお子さんがいるパパ・ママは、順番が回ってきたらコロナワクチンを打ちましょう。2回目接種時の副反応の強さが芸能人のツイートをみてもわかると思いますが、それでも自分や家族への防具を手に入ると考えれば、接種はマストだと信じてください。
で、コロナじゃなくて今年の「夏風邪」の特徴をいくつかご報告します。①突然の高熱(平気で40度近くの熱が出ます)(発熱初期に熱性けいれんを起こす子が多い) ②発熱の遷延(上がり下がりしながらも、発熱が4・5日目まで続くことがしばしば) ③発熱時は無症状もしくは軽く鼻水、3日目ぐらいで熱が下がってくると同時に鼻水や咳といった普通の上気道炎症状の出現 ④嘔吐・下痢といった胃腸炎症状の合併 などが特徴です。基本は「のどが炎症」がメインですので、咽頭痛からか「食べられない・飲めない」という訴えも多いです。咳がひどくてぜーぜーすることもたまにあります。新生児や乳児が重症化はしないのでRSに比べるとまだたちが悪いわけではないのですが、それでも「だらだら続く熱、よくならないサラサラな鼻水や咳」という良くない印象。ですから「すぐ良くなります」「熱が下がったらすぐ保育園に行けます」とは言えません。そうはいっても意外と元気はあるので、心配しすぎるのもちょっと違うかなと。とにかく、そんな風邪がとっても流行っていることをみなさんも注目しつつ、普段の生活には十分注意してくださいね。自分や、自分の子供を守るのは、自己責任であることを自覚してください。気を付ければ、避けられることもたくさんありますから。