こどもの鼻血
小児科に、これをメインに受診されることはないのですが、鼻血についてしばしば小児科医にも質問があります。
耳鼻科の先生に聞かれたら「おいおい」って言われるかもしれませんが、小児科医的こどもの鼻血のお話しを。
鼻血のほぼ99.5%は、鼻中隔(右と左の鼻の穴を分けている壁)にある「キーゼルバッハ部」というところから、じわじわと出血しています。
なぜ出血するかというと、これはほとんど風邪を引いて鼻粘膜が弱くなっているところに、外的刺激(ほじる・こする)が加わってのことです。
もしくは、アレルギー性鼻炎があって粘膜が弱くなっている。これ以外にほとんど経験がありません。
子供って、信じられないものを鼻の穴に入れることもありますが(笑)
夜寝ているときに子供が無意識に鼻をこすり、出血してお布団が血まみれ、ってパターンです。
そのシーンを見るとかなりエグいですが、慌てずにまず出ている出血を濡れたガーゼやティッシュでふきとり、上を向かないように座らせて、後ろから抱っこするようなポジションをとり
やはりティッシュかガーゼで鼻の横からしっかり抑えます。ノドのほうに鼻血がたれないようにうつむいた感じにすること、呼吸のために片方の鼻のあなはふさがないでおくこと。
圧迫止血は約5分も抑えていたら自然に止まります。止まる鼻血は問題なしです。
ダメなのは、抑えても抑えても止まらない鼻血です。ほとんどない。①たまたま切れた場所が動脈で、ぴゅーぴゅー血が出て止まらない場合。②血が止まりにくい病気(主に白血病による血小板減少)などだけです。
一度粘膜が弱くなると、毎晩のように鼻血がでることもありますが、止まるやつは大丈夫。シーツの洗濯は大変ですが、基本は心配しないでください。
ちなみに、血を飲み込むと真っ黒なうんちがでるのでそれもびっくりしないでくださいね。