溶連菌感染症
クリニック近辺地区の感染症情報です。
まずはインフルエンザから。能町小学校や牧野小学校のインフルエンザA型の流行は完全にピークを超えて終息の方向です。たまーに乗り遅れた方が少々おられますが、相当減りました。次は幼・保育園へと移行しつつありますが、まだ幼保はアデノっぽいかぜ(検査できなくてごめんなさい)が多いです。
注意して欲しいのは前回のブログでちょこっと書いた「溶連菌感染症」が全年齢で増えてきています。僕はこどもの頃にこの感染症のせいで「リウマチ熱」になったことがあり、この憎い感染症に一角ならぬ想いがあります。
この感染症、知っておきたい特徴があります。①接触・飛まつ感染ですが、潜伏期間が5−7日あります(家族・兄弟・友達などから感染しても、発症までにインターバルがあること) ②症状は「ノドが痛い、熱」がメインです。最初はインフルエンザと似てます。まあまあダルい。これが「気持ち悪い、嘔吐」という症状に化けることがあり、胃腸炎ともよく間違われます ③夜高熱、翌日朝に解熱していることが多いです(ノドは痛いが、高熱があまり続かない) ④ノドが痛いけど熱が下がった、みたいな症状の数日後に、カラダ(特にパンツのゴム部周辺)に細かい発疹が出ることもあり、そこから診断につながることもあります。皮膚科では治せない発疹です。 これらの症状が思い当たる場合には、溶連菌かも?ということで小児科へ受診してください。
で、またこの話。検査キットが非常に手薄になってきています。そして治療のカギである「抗生剤の飲み薬」も欠品が多いです。実際には溶連菌関連急性糸球体腎炎(PSAGN)は富山県で年1例いるかいないか、リウマチ熱は数年に1名いるかどうか?のレベルの合併症ですが、適切な治療で完全に防げる病気はゼロにしたいのが小児科医の本音です。もしかして溶連菌かも?と気になる場合は、ぜひ小児科を受診してくださいね。