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院長ブログ

体重増加不良と母乳育児(2019.03.03更新)

小児循環器が専門なので、過去から今にいたるまで赤ちゃんの体重増加不良の原因として「先天性心疾患がないでしょうか?」と産科や他の小児科の先生から紹介された経験が多くあります。

「当たり!」だったことはまずありません。みんな心臓も含め健康な赤ちゃんでした。傾向としては、ほぼ母乳のみの育児の方が目立ちます。

確かに先天性心疾患や、一部のホルモンの病気(甲状腺や副腎ホルモンの病気)などが原因で体重が増えないことはありますが、やはりこどもの専門家が診ると体重以外の症状が必ずあります。

そして、実は出生時体重も重要で、僕の経験上ですが出生時体重が2500g以下の赤ちゃんは最初なかなか出生後の体重が増えにくく、3~5㎏台の時期が非常に長く、ある時をさかいに急に体重が増えます。

 母乳と人工乳の違いを述べますと、①母乳中には母体からの分泌型IgAなど、赤ちゃんに抵抗力をつけるよい物質が含まれる ②直接母児が触れ合うことにより、愛着形成が増す(この二つに母乳の有利性がある)

③1mlあたりのエネルギー量は母乳よりミルクの方が多い ④ほ乳瓶・人工乳首の方が、吸綴の際に使うエネルギーが少ない(小さい力で吸いやすいようにできている) ⑤一部のビタミンなどが母乳より強化されて入っている(このあたりがミルクの有利性) ⑥もともとは牛乳蛋白を原料としているため、アレルギーがある児には使えない。蛋白を小さくとかした加水分解乳(ミルクアレルギー用ミルク)は、味・匂いが非常にまずい(ミルクの不利性)

こういう情報を踏まえつつ、ママのおっぱいの張りもいいし、よく吸い付いてくれるし、体重増加もよければ母乳オンリーで育てるとよいですが、もしそうではない場合は、ぜひ相談していただきたい。

僕がかかわってきたなかで思うのは、「ミルク=悪いもの」というイメージを新米ママさんたちが持ちすぎています。母乳育児は大切ですが、母乳育児に「こだわり」すぎると逆に赤ちゃんの健康を害する側面があることもわかっていただきたい。思い通りにいかないことだってありますし、ほ乳瓶を使えた方が将来的にジジババに預けたりする際にも便利だったりしますよ。

そもそも、赤ちゃんの成長曲線を母子手帳で確認していただくとわかるのですが、出生後から6か月ぐらいまではおおよそ2倍の体重になるので曲線が強い右上がりです。

しかし生後6か月から1歳までの半年は、ほぼ体重は1㎏ぐらいしか増えないのが普通であることがわかります。

成長パターンも人さまざま。こうでなければならないってことは、何もないのです。とくに最初の3か月ぐらいまではママはとっても大変です。あまり悩まず、赤ちゃんのご機嫌を重視しながら、楽しくおっぱいの時間を迎えたいものです。保健師さんからいろいろ指摘されることもありますので、悩んだらぜひ一度小児科医に相談してみてください。

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